~老後の資産形成の考え③~
前回は自宅を担保に融資を受けて入居金や生活費を補完することをお話しすると結びました。代表的なものは「リバースモーゲージ」です。
リバースモーゲージとは、「自宅を担保にした借入れにより、安定した生活資金を確保し、借入人が死亡したときに担保となっていた不動産を処分し、借入金を返済する」という高齢者のための仕組みです。年金生活者の貸付制度ともいえます。
借入金の返済は、大きく分けると①毎月返済する方法、②借入額を借入人が死亡したときに一括で返済する方法の二つにわけられます。リバースモーゲージは、金融機関はもちろん各都道府県の社会福祉協議会も取扱っています。どのリバースモーゲージを利用するかによって、借入金の対象となる生活資金の範囲や貸付限度額、対象となる物件が異なります。
金融機関の中でもその条件はまちまちです。ご自分のケースにあったものを選択することが大切になります。高齢者の借り入れですから、本当に慎重に決定しなければいけません。正しく選択されたときには安定した生活を約束してくれます。
社会福祉協議会が取扱うリバースモーゲージは、借入人の死亡などの理由で契約が終了したときに、相続人が借入元金および利息の返済をすることが必要です。
有料老人ホームへ入居される予定の方は、自宅を賃貸に出して返済金を確保するということも可能です。安心して借り入れをするためにも是非私どもFPを活用して頂ければ幸いです。
次号は、令和6年4月1日から施行の「相続登記の義務化」について考えてみます。次号へ続く。
筆者 :
井上 昇(いのうえ のぼる)(ファイナンシャル・プランナー)
■プロフィール
CFP®(日本FP協会認定)
横浜国立大学経済学部卒業。
国内大手銀行を経て、ファイナンシャル・プランナーとして独立。
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